「社員が覚醒したら会社は困るのか。」独立マインドコラム

社員が覚醒したら会社は困るのか?

会社の傘下に社員がいる。

終身雇用、評価制度、そう言う仕組みが会社の下に社員が属すると言う関係を作っている。

ヒューマンリソース。と言う呼び方がすでに、人・物・金の資源として扱う「人」への考えが露呈している。

今回はIT系企業で人事経験のある素敵な人たちと「独立マインド」について話す機会を持ちました。

*独立マインドとは「会社にいようが、独立してようが、コソコソせず堂々と自分の軸を持って表に立つことである」

社員の覚醒とは?

自分軸を大事にし、本当に自分が社会に実現したいことと向き合うこと。

その一つの場として会社が存在している。

つまり、会社への依存がなくなり、評価制度を起点ではなく、自分起点で動く。

やりたいことへのコミットが高く、その実現や結果を出すことにベストを尽くす。

評価を気にしているときは、いかに評価される仕事をやるかと言うところから仕事を選んでいる。

つまり思考が受け身なのだ。

そうではなく、自らやりたいことがどう会社に利益になるのかビジョンを描く。

思考のスタート地点の幅が無限大である。

そこから実現に向けての可能性を高めるように動くこと。

今回は「独立マインド」について、自分は覚醒したという会社員2人の方とカジュアルに話す機会があった。

ここでは「独立マインド」を持つことを覚醒するという言葉で会話がされた。

「一個人としては理解できるが、社員に覚醒されたら会社が困る」

そう最初に口火を切ったAさん。

その理由として、社員が覚醒したら会社を辞めてしまうかもしれない。

そうすると目標や事業計画の達成から遠ざかってしまうリスクがある。

会社側の恐れとしては

・目標が到達しなくなる可能性が高まる

・覚醒した社員を扱える器のあるマネージャー層がいない

が挙げられた。

 

社員が覚醒するメリットは企業にないのか?

どうも覚醒することはネガティブなインパクトが与えられるように思われているが、本当に覚醒するメリットは会社側にないのか。

そうではない。

会社のために働かないことが結果、会社に貢献している。

Aさんは覚醒したことで、会社へのコミットが上がり、これまで会社と距離を取ろうとしていたが、自分の中にある物足りなさは会社は責任を取っていないところだと感じて昇格試験を受けたいと会社に申し出て昇格したという。

 

Bさんは評価を気にしなくなって、やりたいことをやって行った結果、評価の項目すべてがちゃんと埋まっていたという。自分にとって「覚醒」とは自分がやっていることにかけることだという。

 

私のクライアントの中には外での活動を増やしたことで、社内でのパフォーマンスが上がった人がいる。仕事を早く切り上げて、夜や週末のやりたいことに対する活動を増やすことで、自分が会社を代表している認識を強く持つようになり、結果会社で働く意義やモチベーションが高まったという。

 

独立マインド。

それを個人が持つと会社は困るのか。

一概に「困る」という結論だけで片付けるには勿体無すぎる。覚醒する=退職を促すことでは決してない。

 

ただ、そこを向き合う機会を会社から与えるにはそれなりの会社側の器と余裕が大事にもなってくるだろう。

 

経営者視点からすると歓迎されるマインドかもしれないが、トップの命令で目標を決め動いている人事としては恐怖でしかないかもしれない。 次回もその辺り独立マインドラボで話したい。